<後半>怖かった日雇い派遣バイトの体験談
前回の記事に引き続き、自分の日雇い派遣でのアルバイトの体験談を綴る。
前半を読んでいなければぜひとも前半から読んでいただきたい。
<2部構成の完結編>
自分が手こずってしまい、ベルトコンベアの稼働が
アラーム音と共にストップした瞬間、社員らしき方がこちら近づいてきた。
「何止めてんだ!!早くどけろ!!」
ものすごい剣幕で自分に向けてこの言葉が放たれた。
すぐに謝り、必死にタイヤや謎の重いダンボール等を仕分け、
ベルトコンベアは稼働を再開した。
そして社員らしき方はまた前の立ち位置に戻っていった。
「これが逆境か、、」 心のなかでそう唱えた。
作業中、その社員らしき方は前の方で、トラックドライバーとずっと談笑していた。
時折「ぎゃはははははあああああああぁぁ!!」という、
とても普通ではないような笑い声が響き渡る。
何回も上記のような笑い声が響き渡り、正直恐怖すら覚えた。
その間もひたすらベルトコンベアは止まる事を知らず、絶えず稼働し続ける。
必死に仕分けを繰り返していたが、休む間もなく疲労がどんどん蓄積していく。
そして再び、アラーム音が響き渡り、稼働がストップしてしまった。
そして案の定、社員らしき方がこちらにものすごい剣幕で歩いてくる。
「お金もらってんだからちゃんとやれや!!」この言葉が聞こえた。
そして次の瞬間、自分のお尻に衝撃が走った。
そう、思いっきりケツを蹴られていたのだ。
条件反射的にすみませんすみませんと連呼していた自分が情けなく感じた。
こうしてすでに魂はそこにはなかったが、感情を無にして5時間を耐え抜いた。
最後にバックヤードにて、最初に作成した首から下げる名札を返却BOXに
入れるように指示があり、返却しようとしたとき、すべてを悟った。
返却BOXは何段も重なっており、その中にはこれまで苦しんできた人たちの
名札が屍のようにとてつもない数入っていた。
ここに入れると、次の出勤時に見つけられないほどだった。
すべてを悟った自分は、体がすでに筋肉痛に蝕まれていきながら
もう二度と出勤しないことを誓い、帰路についた。
こうして社会は回っているのだ。